手あぶり火鉢の特徴

 

手あぶり火鉢は必ず対(2台1組)で作られていました。本来、一人一台だからです。お客人と話すとき、一台は自分側。もう一台が客人側ということになります。 昔は大きなお屋敷などですと全部で50個、25組の手あぶり火鉢を置けたと聞きます。 村の寄り合いなどで大勢が集まるときや、大きな商談で見られた光景のようです。

以前は大きなお屋敷の蔵出しですと手あぶり火鉢が30個、50個と出てきたものですが、ここ5年はまったく出てきませんでした。たださすがに「これからはもう出てこないだろう。」 とのことです。   さてこの5つの特徴ですが、いままで火鉢屋では何度も火鉢の説明に記載してきました。 最近また新しいお客様が増えてらっしゃいますので、もう一度簡単にご説明します。

  1. 欅(けやき): 火鉢といえばケヤキ。 もちろん紫檀(したん)、杉、桐、かりん 木の種類はさまざまですがやはり火鉢といえば欅。というくらい 欅の木が多く使われています。 特に明治頃につくられたものは江戸期ころに伐採された樹齢300〜400年以上のものなので、それは見事です。 
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  2. 黒柿: くろかき(黒柿)も 欅と同じくらい火鉢ではポピュラーです。 欅も堅いことで有名な木ですが、この黒柿もとても堅く熱に強い木です。 この黒柿から採取する柿渋という液体は江戸の昔から木材への添付で知られています。現在は京都に1件のみ今も本当に柿木から柿渋を採取している会社があります。柿渋には虫除けの役目など木の保護の役目もありますが、最近はシックハウス対策に使われたり、健康のためにとどうやら飲む方までいるようです。  火鉢では淵に使われることが多いです。
    色が黒いので火鉢がしまって見えます。 なお黒柿は普通の柿の木から採取しますが、1000本に1本程度しか 黒柿は存在しません。しかも一度木を切ってみないとわかりません。 この柿の木に偶然出来る墨が柿渋にもなり、また黒柿といいって貴重な木にもなります。

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  3. 臍組み: これは木の組み合わせ方です。 ほぞ組みはシンプルなものから、斜めになっているものまでさまざまです。このほぞ組み用のノミを作るところから指物師の技が始まります。 今でもほぞ組みという組み方は木工の世界では一般的ですが、当時は今のようなシンプルな組み方はありませんでした。どれも手が込んでいます。また4面ある火鉢の木は、1枚、1枚はめていくのではなく、「いっせいのせ」 ではめないとはまらないそうです。 これを指物師の経験と勘だけでおこなっていたのですから、本当に当時の職人さんはすごかったのだと思います。 このほぞ組みのある火鉢はそれだけで時代が新しくても昭和の戦前ということになります。通常明治期〜大正期の火鉢jに見られます。
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  4. 炉ぶち: これは火鉢についている枠のことです。 炉淵とよぶのはお茶道具的かもしれません。 他に「木枠 (こわく)」ともよばれます。 これがあると無いとでは、ずいぶんと火鉢の見栄えが違ってきます。茶室の炉は千利休が庶民の囲炉裏をベースに考え出しました。 そのときに、品良く見えるので淵をつけたのではないでしょうか。 それを今度は火鉢でも加えてみたのではないかと思います。 この炉ぶちのあるものはお茶の練習用にも使われることが多く、残っていれば程度のよいものが多いです。 昭和も戦後になると木材の希少性から火鉢の板も薄く、炉ぶちをつけないなど簡略化が図られました。
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  5. 引き出し 他: 引き出しがついている手あぶり火鉢は珍しいです。 長火鉢の場合、引き出しは感想する場所ですので、海苔や、お茶、タバコなどをしまっていました。 この手あぶり火鉢の引き出しは、どちらかというと道具入れによいかもしれません。  火ばし、灰ならしをしまっておくにはぴったりです。
    ただ少々大きめなのでそれだけではもったいないかもしれません。  引き出しの中には半紙など(新聞紙も可)を敷いて、江戸の茶器や、そばちょこを入れると なかなかおしゃれだと思います。