鉄瓶の使い方について解説しています。鉄瓶の正しい使い方の説明です。

江戸鉄瓶 日の丸

鉄瓶をサビさせないために!使い終わった後の処理

鉄瓶を錆びさせないためには、鉄瓶を使い終わった後の処理が一番肝心です。

もちろん乾かす。

これに付きますが、内部の蛇口の付け根部分。

ここが一番盲点であり、一番先に錆びるところなので、充分乾かします。

通常は、お湯を捨てたらそのあとの予熱で乾きます。

 

 

鉄瓶を使ったら完全に乾かそう!

鉄瓶を使い終わったら完全に乾かします。まずこれが基本です。鉄瓶の中のお湯は全て捨てます。その後、鉄瓶を完全に乾かします。

>> 鉄瓶の乾かし方

方法は2つあります。

1つ目は、「鉄瓶の中のお湯が熱いうちに鉄瓶の中を空にし、その鉄瓶の中に口で
息を吹き込みます。  フー フー フー」

肺活量にもよりますがこれが意外と手軽によく乾きます。中国茶の急須を乾かすときもよくこの方法を使います。 鉄瓶は中国茶の急須よりも大きいですが鉄の余熱はかなり強力なので、この 「フー フー」 でかなり乾いてくれます。 ただし本当にお湯が熱いうちにやる必要があります。

2つ目は、「炭の熱で乾かす」 です。 鉄瓶のなかのお湯を捨てたら、また五徳の上に載せておきます。 このとき、炭は勢いよく燃えている必要はありません。 ちっちゃくなった炭でも充分です。 この炭の熱をつかって鉄瓶を乾かします。 空焚きが心配かもしれませんが、炭の熱であれば鉄瓶の空焚きの心配はありません。

>> ガスコンロしかない場合

「ガスコンロしかないよ!」 という場合は、とにかく弱火にして、空焚きをしないように鉄瓶が乾くまで鉄瓶の前から離れてはいけません。 なぜガスが鉄瓶に良くないかというと、炎が鉄の表面の漆をやいてしまうため。漆は錆止めです。 また、ガスの炎は水分を含んでいますので、よりいっそう鉄を酸化させます。 実際、ガスコンロで中火~強火で使うと、かなりすぐに鉄瓶の底の鉄が剥げてボロボロと落ちてきます。

>> 乾かすときの注意!

鉄瓶を乾かす上で気をつけることは鉄瓶の中の見えないところに残る水分です。

鉄瓶の内側、蛇口の付け根。ここにお湯が一番残ります。 中々見えないところなので要注意です。次にお湯が残りやすいのが鉄瓶の蓋と鉄瓶本体が重なるところ。 いわゆる、蓋の淵の部分です。

>>  IHでは?

鉄瓶はIHが最も苦手です。IHを私は使ったことがありませんので、IHで乾かすまでを存じ上げません。またテストするのも少々怖いところです。おそらくIHで鉄瓶を乾かす唯一の方法は、弱でお湯を沸騰させ、沸騰したばかりのお湯をポットなどへ移し、空になった鉄瓶を予熱で思い切り乾かす。

これなら大丈夫だと思います。それでも老婆心ながら、IHしかお持ちでない方は、同じ電気でもコイル状の電熱線の湯沸かし器がございます。

電気コンロです。これでしたら、茶道のお茶釜にも使えるものですので安心です。炭の次に、鉄と相性がよおございます。

アマゾンで2,500円くらいで売っておりました。

 

>>鉄瓶の金気止めについて

先ほど鉄瓶と炭の相性が一番良いことをかきました。それは鉄瓶を乾かすときに炭の熱を利用する際にも言えます。 ガスコンロの火のように空焚きがないからです。

これはもともとの鉄瓶の製作工程によります。
鉄瓶製作の最終工程に “金気止め”というのがありあす。いわゆる焼付けです。
これは鉄瓶を備長炭で焼く行為で、この“金気止め”によって、鉄瓶の中に酸化皮膜が作られ、鉄瓶の内部を錆に強くします。 この金気止めをするまでは、鉄瓶の中にも外にもぬる漆だけが錆止めの役割を果たしていました。 しかし、水を入れてお湯を沸かす鉄瓶内部は、漆だけでは錆を止められません。そこで偶然の産物であったこの金気止めを施すことで鉄瓶内部の錆を抑えています。

ただこの酸化皮膜は使っているうちになくなってきます。それと入れ替わるようにして湯垢が付いてくるというわけです。 “金気止め”は、盛岡の大火災が原因で発見された手法です。 盛岡の大火災で多くの鉄瓶工房が焼けてしまいました。ところがその焼け跡から出てきた鉄瓶を使ってみる、これがなんとも錆に強くなっており尚且つ、頑丈になっていたのです。 これ以後、鉄瓶には必ず金気止めという工程が入ることになりました。 (最近は金気止めではなく錆止め塗料をぬっているものもありますが、金気止めをした鉄瓶の中は、白っぽい感じになっています)