鉄瓶

鉄瓶とは

鉄瓶とは東北地方に伝わる鉄でできたケトルをそう呼びます。

岩手県北部の鉄は刀の原材料として使われるほど硬質な鉄から、こういった鉄器製品を作るのに適した鉄や砂鉄の産地です。岩手県北部の盛岡から、南部の石巻まで南部鉄器工房がひろがります。 一番多くの鉄器工房があるのが南部石巻になります。そこで一般的に鉄器を南部鉄器と呼ぶようになりました。

その鉄器製品の中の代表的なものに鉄瓶があります。本来の製造工程にによって作られた鉄瓶は、機械生産ではなくひとつひとつが丹念な手作り。厳選された鉄が使われ、古くは江戸時代から残る鋳型から、すべて手作りのみで作られます。

>> 南部鉄器、鉄瓶のこだわり

400年以上前から伝わる手作業により作られた鉄瓶には、伝統から得られる自然な風合いが現れます。表面に錆び止めとして漆(生漆のみ)を塗り、内側には’金気止め’という備長炭による焼き付け処理が施されます。

着色は黒と赤。黒は鉄と漆と緑茶、赤は鉄と漆などによる秘伝の配合により作られます。(ただし漆は無色)それがために古くから伝わる手法で作られた鉄瓶には、自然な艶とあの独特の質感があらわれます。

この自然に存在するものだけで作られた鉄瓶だからこそ、その表面は使い込んで手入れをしていくうちに様々な様子を見せつつ、育ってゆきます。

お湯を沸かす上で重要になる鉄瓶の内部には、錆び止めの酸化皮膜が金気止めという作業により作られます。この鉄瓶に施される焼き付け処理(備長炭で本当に焼きます)によってできた酸化皮膜が鉄瓶の中の錆を防ぎます。この酸化皮膜は鉄瓶を使っているうちになくなってきます。湯の中に混じっている様々な物質(主にミネラル、とくにカルシウムといわれている)が沈着し、「湯あか」が付着していくことで、赤錆びの発生をより抑えてくれるようになります。

またこの「湯あか」が、鉄瓶で沸かしたお湯を“まろやか”で美味しく感じられるようにしてくれると考えられ、これが、使い込むほど「鉄瓶で沸かしたお湯はおいしい」と言われる所以となっています。 実際、使い始めの鉄瓶と、その後、鉄瓶内部がさびてきたときのお湯ですと、その“まろやか度”が違います。湯あかがつくまではかなり時間を要しますが、そのころには本当においしいお湯になっています。

>> 鉄瓶の要 弦

そして鉄瓶の大切な一部である鉉(つる)もまさに、それだけで芸術作品と呼ぶにふさわしいものです。弦、つまり鉄瓶の取っ手です。

価格的には5万円、もしくは6万円以上の鉄瓶だけになりますが、鉄を叩いて少しずつ丸めて中が空洞になるように作られる、「袋鉉」呼ばれる弦が使われています。 

お湯が沸いたときでも素手で鉄瓶を持つことができるのは、熱伝導を考えたこの袋鉉のおかげです。

>> 鉄瓶の現在

日本の伝統工芸である鉄瓶。古くから日本人の生活に馴染んできた道具でしたが、昭和も中ごろを過ぎると手軽で便利なヤカンや西洋式のケトルが広まリ、土瓶と共に目にする機会がなくなってきました。

そんな中、ITバブルがはじけた2000年ころから少しづつ、古き日本が見直されてきました。これは鉄器だけではなく、骨董の世界にも当てはまることでした。

そして今、鉄瓶の良さが再認識されつつあります。理由は様々でこれといったものは見当たりません。もちろん20代でお茶のお稽古で使われる方もいらっしゃいますが、鉄瓶を使い始める理由は皆さん本当に様々です。 

鉄分の補給とおっしゃる方もいらっしゃいますし、火鉢や囲炉裏をすでにお使いで、ゆっくりとした時間を過ごしたいからとおっしゃる方もいらっしゃいます。

他にも、いわゆるクールだから使いたいとおっしゃる方や、洋式の生活にうまく取り入れている方を参考に自分も使ってみたいとおっしゃる方、お茶やコーヒーをよりおいしく飲みたい方まで、本当に様々な方がいらっしゃいます。

 

>> 鉄瓶の存在感というもの

たしかに鉄瓶には独特の存在感というものがあります。特に使い込まれた鉄瓶には本当に深い味わいがあり、使えば古くなる現在の道具とは一線を画した価値を感じます。使い込まれた骨董の鉄瓶のもつ見事なまでの深い味わいは、世代を超えて引き継がれる道具の美しさを物語っています。

もともと茶道具である茶釜に起源をもつ鉄瓶。

その鉄瓶が時を経て使い込まれたとき、 「わびさびの心」と「道具しての美しさ」をあわせもつ、独特の存在感をみせてくれます。特に火鉢や囲炉裏の上にかかった鉄瓶が見せるその風情は、郷愁と落ち着いた時の流れの中にも、素敵な道具を所有している喜びも感じさせてくれます。

鉄瓶の歴史など


火鉢屋(ひばちや)

 

最近かなり多くの方、もしくはお店が、弊店の文章をコピーして自社のホームページに掲載されてらっしゃいます。

著作権を申したところでこのネット時代、コピーは可能です。

語尾だけ変更して全文そのままもあり ますが、一字一句たがわず丸々コピーもあります。それで検索されたときに目立つようにしまして、そのコピペページから自社サイトへ誘導というような感じで皆さん利用されています。

一応著作権は全て火鉢屋にありとしますが、火鉢屋はあまりうるさく言いません。 ただ逆に私どもがコピーしたように見えては問題です。 なので一筆書かせていただきました。 


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